日本共産党新座市議会議員団
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にいざ民報

2018.5.27  No.1766
日本共産党新座市委員会
放課後児童保育室 6小学校を民間に指定管理?
社協11、民間6案が出される 共産党市議団の情報公開資料で判明
 放課後児童保育室(学童保育)は社会福祉協議会(社協)が全小学校17校の指定管理者になっていますが、今年度で指定期間が満了し新たな指定管理者の選定が行われます。

欠員が34人!慢性的な支援員不足

 現在の放課後児童保育室は慢性的な支援員(指導員)の欠員が生じています。この間、学童保育の会、指導員組合、日本共産党市議団の追及等により一定の処遇改善が図られてきましたが、今年度は34人も欠員です。

給与改定は困難?社協の指定管理を分割

 共産党市議団は「新座市政策推進本部」(部長級職員で構成)と「新座市指定管理者候補者選定委員会」の会議録と会議配付資料を情報公開で請求。市が、今後の放課後児童保育室の在り方(方向性)や新たな指定管理についてどう考えているのかが判明しました。

 新座市政策推進本部は、放課後児童保育室について「近年、入室希望者が増加しており、施設の大規模化・狭あい化が課題となっている」としたうえで、「課題となっている支援員不足の解消を図るために、次期指定管理期間においては一部施設を社会福祉協議会以外の事業者に管理を任せることも含め検討を行ってきた」とこの間の状況を説明。

 具体的な提案として、「支援員不足の解消策として・・給与改定など更なる財源投入を行うことは厳しい財政状況の本市としては困難な状況である。そこで、社会福祉協議会に一括で管理を指定している17校を次期指定管理者の選定においては施設数を分割し、社会福祉協議会には現在の支援員数を基に支援員の欠員が生じない範囲と考えられる11校の管理を指名し、その他の6校については民間事業者等の公募とすることが望ましい」としました。

 4月23日、第1回目の指定管理者候補者選定委員会が行われ、政策推進本部の方針通り、「11校を社会福祉協議会、6校が民間事業者等の公募。指定期間は共に5年」という方向が確認されました。(下表参照)

子どもたちの成長支える学童を

 支援員を募集しても集まらないのは市の待遇改善が不充分であるのに、その点は財政難として不問に付し、指定管理先を分割するのは極めて無責任です。放課後の子どもたちの生活と成長を支える学童保育の質が問われます。共産党市議団はこの重大問題について6月議会で追及していきます。
<今後のスケジュール案>

7月  指定管理者の公募始まる
10月  指定管理者候補選定委員会で決定
12月  12月市議会で議決
来年4月〜 新たな指定管理者で事業開始

(新座市政策推進本部の会議資料より)
指定管理者候補者の指定期間及び選定方法について(事務局案)
日曜議会傍聴を
 6月10日(日)9:30〜
 日本共産党が放課後児童保育室問題で一般質問します
私たちは多くの希望を失っている
「万引き家族」是枝監督談
第71回カンヌ映画祭で最高賞パルムドールを受賞した是枝裕和監督

 第71回カンヌ映画祭で最高賞パルムドールを受賞した、是枝裕和監督の最新作「万引き家族」(6月8日公開)日本では21年ぶり4人目の快挙。映画は祖母の年金に頼りつつ足りない生活費を万引で稼ぐ一家を描く群像劇だ。是枝監督はこれまでも「誰も知らない」「そして父になる」など、現代の家族のあり方に焦点を当てた作品で注目を集めてきた。

 日本では報道されていないが、監督は受賞前17日のインタビューで安倍政権下の日本を「経済不況で階層間の両極化が進んだ。政府は貧困層を助ける代わりに失敗者として烙印を押し、貧困を個人の責任として処理している」と批判。さらに「(日本は)地域主義に傾倒し残ったのは国粋主義だけだった。日本が歴史を認めない根っこがここにある。アジア近隣諸国に申し訳ない気持ちだ。(中略)同じ政権がずっと執行することによって私たちは多くの希望を失っている」と戦後処理問題にまで言及。パルムドールを受賞した監督の発言が波紋を広げそうだ。

(韓国最大の新聞社「中央日報」 日本語版ウェブサイト掲載)

わが町の魅力再発見 広島市のフィルムコミッション
学校給食費を無料化 岩国市の若者定着策
総務常任委員会の視察
 総務常任委員会は5月16日に「広島市のフィルム・コミッション」、17日に「岩国市のシティープロモーション戦略」について行政視察を行いました。
広島市でロケされた「この世界の片隅に」
広島市でロケされた「この世界の片隅に」

 フィルムコミッション事業とは、映画のロケ地を提供し撮影を支援することで、市のイメージアップと観光客の増加、ロケ隊の滞在による経済効果をねらう事業です。事業費は1650万円ですが、経済波及効果は約5000万円だそうです。

 広島市は平成14年から観光振興部をおき、ロケ撮影の誘致、エキストラの募集、施設の無料貸し出し等を行ってきました。「ひろしま」ということで原爆ドームなど海外映画やテレビからのロケ誘致も多いそうです。

 広島が舞台となった「この世界の片隅に」はキネマ旬報ベストテン日本映画第一位となり全国63館で公開、空前のロングラン興業となりました。現在は「孤狼の血」(役所広司、松坂桃季ら)を上映中でした。

 フィルムコミッションの3原則は1作品内容を問わない、2ワンストップサービス、3非営利。担当者の「自分の町への愛着や誇りが熟成されるのがメリットの一つ」との言葉が印象に残りました。

 岩国市のシティープロモーション戦略は、人口減少を食い止め、子育て世代の移住、定住をめざすための戦略です。岩国の4つの魅力を、1米軍岩国基地を中心とした英語教育など国際交流、2子育ての施設の充実。3子育て世代への経済的支援、4東京へのアクセスの良さとしてPR動画を作成、市外からのモニターツアーの実施、移住定住相談窓口などで推進していました。
総務常任委員6人と部長・・岩国市議場にて
総務常任委員6人と部長・・岩国市議場にて

 子育て支援のため、お子さんが生まれると出産祝金10万円を支給するほか、インフルエンザなどの予防接種助成、健診日程やイベント等をチェックできる「子育てアプリ」を実施。今年から全小中学校55校の学校給食費を無料化した事には驚きました。

 ふるさと納税にも多くの方が協力し、岩国ブランドの日本酒、牛肉、蓮根などが人気の返礼品で昨年度は2532人から納税があったそうです。

 新座市は子育て世代が増えていますが支援策は大いに参考になりました。

(記・工藤かおる市議)

新潟県見附市、三条市を視察
厚生常任委員会
 厚生常任委員会は、5月16〜17日の日程で新潟県見附市と、三条市の行政視察を行いました。共産党市議団からは笠原すすむ市議、辻みき市議が参加しました。
見附市役所にて・・厚生常任委員会
見附市役所にて・・厚生常任委員会

 見附市では身体面の健康だけではなく、人々が生きがいを感じ、安心して豊かな生活を送れる状態を「健幸(けんこう)=ウェルネス」と呼び、まちづくりの中核に据えていこうと取り組んでいます。それまでの「食生活」「運動」「生きがい」「検診」の健康づくり計画4本柱に加えて、健康に対しての関心がうすい市民でも自然と健康になれるようなハード面の整備や仕組みづくりなどを通じて総合的に「快適で健幸なまちづくり」 (SWCスマートウェルネスみつけ)をすすめ、『日本一健康なまち』を目指しています。

 特徴としては1ハード面ソフト面からの社会参加(外出)できる場づくり2市街地を中核とした賑わいづくり(歩いて過ごせる楽しくて便利な市街地)3歩きたくなる快適な歩行空間の整備(ウォーキングーサイクリングコースの整備、レンタサイクル等)4地域コミュニティの構築と共同のまちづくり(住民主体の地域づくりをサポート)5過度な車依存の脱却を可能にする公共交通の再整備等です。平成23年には地域活性化総合特区の指定を受け、27年には『スマートウェルネスコミュニティ協議会』が設立されています。

 事業の一つである健康教室は一定の成果を上げつつ参加者が伸び悩んでいるという課題もあり、市民参加を底上げできる社会技術を模索されているそうです。『市民の健幸』を市政の軸にして掲げ続けることが大事なんだなと思いました。

 三条市では乳幼児から就労、自立に至るまで切れ目なく一貫して個に応じた必要な支援を総合的に受けられるように市がその情報を可能な限り集約、一元化して子ども若者を支援しています。

 特徴的なのは教育委員会に『子育て支援課』を設置し、子育て支援に関する窓口を一本化しています。概ね35歳位までを対象にした『三条市子ども・若者総合サポート会議』のなかで各協議会の代表者会議や実務者会議、個別ケース検討会議など切れ目のない連携体制の仕組みがつくられています。

 また、発達に支援が必要なすべての子どもたちを対象にして、学校や社会に適応できるように『三条っ子発達応援事業』が行われています。この事業は・気付き事業・相談事業・支援事業の3つを総合的に実施するものです。「年中児発達参観」は、保育園、幼稚園など市内31施設で4、5歳児の子どもの様子を発達応援チームと保護者で確認し、相談事業や支援事業につなげます。

 組織機構の見直しを含め、子どもの個々の成長に合わせた切れ目のないサポート体制の構築に踏み出した本気度を感じました。

(記・辻みき市議)

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