日本共産党新座市議会議員団
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にいざ民報

2005.5.22  No.1114
日本共産党新座市委員会
「道路用地買収先送り」などを要望
100億円こえる土地開発公社の運営改善を
 市の土地開発公社は103億円を越える多額な借金を抱えています。3月議会では8億円に及ぶ公共料金引き上げや福祉サービス切り下げが強行されましたが、これも公社の多額な債務を県に「指摘」されたのがきっかけです。

 現在公社は水道道路など道路拡幅14本、総合運動公園など公園用地6本、計20本の用地取得事業を進めています。

 公社が用地を取得した後、新座市が公社から買収して市民が使えるようになるのですが、財政事情から市が買収できないまま市民が使っているという不正常な状態の道路が6路線もあります。

 本来ならこのような道路を先に買収すべきですが、須田市長は新規の先行取得をどんどん進めるため毎月の累積債務は増える一方です。

 日本共産党は「20本を同時並行的に進めるのではなく、重点事業を定めよ」と提案。須田市長も3月議会で「道路拡幅事業を見直し、スローダウンする」と答弁しました。

 しかし、最近の公社理事会では見直しはされていないことが分かりました。

 日本共産党市議団は、公社による「道路用地買収の先送り」など、次のような要望書を提出し回答を求めました。


1、都市計画道路ひばりが丘・片山線など、すでに市民が利用している道路の買戻し計画を示せ。

2、嵯峨山通りや武野通りなど公社の買収率が高い道路は市民が使用できるようにすべき。

3、恵山通りや水道道路など買収率が低い道路は分割して使用開始と先送りを分ける。

4、新座中央通りや栗原橋通りなど買収が始まっていない事業は財政の見通しが立つまで先送りする。

5、土地開発公社から市への買戻しの年次計画は財政状況をしっかり検討して無理のないものに改める。

以上です。
不人気の「住基カード」の普及をめざす新座市
 新座市は電子自治体化を進める地方自治情報センターが公募した「ICカード標準システム」の実証実験に応募。その概要が16日の市議会全員協議会で報告されました。

 これは、住民基本台帳カード(住基カード)の利用がふるわないことから、カードに1、図書の貸し出しや2、駐輪場の入出場が簡単になるサービスを付け加えることで、住基カードの普及率を高めるために実証実験を行い三千万円の費用は全額国持ちというもの。

 市はもし応募が採択されたら今後は公共サービスだけでなく、金融機関のキャッシュカード機能、医療診察券、電子カルテ機能、クレジットカード機能の付加について順次実証実験を行っていきたいとしています。今でも住基カードは千枚少し(0.71%)住民票の自動交付機の設置を見送ったばかりです。

 個人情報保護や莫大なシステム開発費の点で疑問だらけの「電子自治体作り」の国策に乗っかって実証実験に名乗りをあげるのはいかがなものでしょうか。
メッキはがれた上田知事の一年半
 上田清司知事が誕生して一年半がたちました。振り返ってみれば土屋前知事とそのファミリーによる県政私物化が明るみに出た知事選挙。上田氏は「しがらみ一掃」等と腐敗政治刷新と保育園の待機児ゼロなど3つのゼロを掲げ、幅広い県民の支持を集めて当選したのでした。

 ところがどうでしょうか。一年もたたないうちに上田知事は前知事が進めてきたウィングシティ県北部拠点開発などの大型開発の継続を次々と決定。まるで「公約破り」はこういう風にやるんだと言わんばかりの態度です。新都心に六百メートルのデジタルタワー建設や、作る目的が消滅した「八ツ場ダム」に埼玉県負担分を236億円から569億円に増額するなど無駄遣いと大型開発優先の県政を土屋前知事以上に進めています。

 侵略戦争を美化して描く「新しい歴史教科書をつくる会」の元副会長を県の教育委員に選任。

 これでは、自らの右翼的な思想・信条を具現化するために知事になったと言われても仕方ありません。次第にメッキがはがれ、公約と人柄に期待した県民からもっと批判の声が高まることでしょう。
臨済宗住職が、憲法9条死守を表明
 臨済宗妙心寺派龍門寺住職の河野太通氏(花園大学学長)はみずからの戦争体験から憲法9条を死守すべきと表明。「宗教者9条の和」の発起人の一人として活躍されておられます。16日共産党市議団は同じ宗派である平林寺の老大師を訪問し懇談を申し入れました。
多くの市民の声でまちづくりのプランを
観光都市にいざビジョン(中間報告)に党市議団が意見
 新座市は「雑木林とせせらぎのあるまちづくり」を目指し、『観光都市にいざビジョン』を40名の市民会議で策定中ですが、3月にその『中間報告書』が出されました。

 『中間報告書』によると、観光都市づくりとは従来型の「観光客を呼ぽう」という観光地整備ではなく、市民自身が新座の魅力を再認識し、「住んでよし、訪ねてよし」のまちづくりを目指すとしています。平林寺や野火止用水などの歴史資源を生かしたウォーキングルートの整備、特産品の開発や産業の活性化などが提案されています。市民が新座市をもう一度見直して観光資源を探し出し、磨き、愛着や誇りが持てる地域にしていこうというのが基本的なコンセプトです。

議員団はこれに対して以下のような意見を提出しました。

1、「観光都市」は従来型のイメージがあるのでプランの内容と合うように表現の工夫が必要ではないか。

2、観光客目当てでなく、市民が憩える空間を創出するという「住んでよし、訪ねてよし」のまちづくりを推進するという考え方はとても良い。多くの市民から自然景観への改善点を提案してもらうこと。

3、野火止用水を観光資源の「背骨」としているが、新座市の文化財めぐりコースや、黒目川や柳瀬川など市内全域を見渡すこと

4、(新座のにんじんやほうれん草、うどん作りなど)特産品を活用したメニュー開発などは、慌てずにしっかりした検討が必要。

などです。
自立した生活めざす福祉のまちづくり(川西市など)
厚生常任委員会の視察報告
 厚生常任委員会では5月9、10、11日の3日間、兵庫県川西市、五色町、大阪府和泉市の地域福祉計画の策定経過と実施状況を視察しました。

 川西市は高齢化率が17%ですが、他市より急速に高齢化が進行する見込みです。

 そこで、住民が安心してその人らしい生活を地域で送れるよう、相互に助け合う福祉コミュニティーを形成していくとともに、NPO、事業者、行政が協働した福祉サービスを創りだすことをめざし「地域福祉計画」を策定しました。

 「計画」は現行の児童、障害者、高齢者、介護保険、保健医療計画などを包括し、社協の地域福祉推進計画と連携しています。

 策定の経過は、02年に小学校単位の14地区で地城別ワークショップを開き、自治会やNPO法人など延べ200名が参加して課題や方針を検討。専門領域別ワークショップではあらゆる分野の専門職員、子ども分野では学童、中高校生が参加、それぞれの分野で活発に開かれ計画策定に貢献していました。

モデル地区のコミュニティー清和台の地域福祉の拠点を現地視察しました。清和台は団地4000世帯の自治会館であった事務所に、相談室、作業室、社協と結ぶ事務室を増設し、地域福祉会館として二人の職員が対応しています。(職員はボランティアで4人が交替)

 子どもからお年寄りまでの窓口相談、高齢者のおしゃべり場、さみしい方はボランティアやサークルのお誘い、子どもの見守りや子育て交流もおこないます。

 以前、お年寄りの孤独死が一週間発見されなかったこともあり、その経験から地域福祉委員をおき、ひとり暮らしの見守りや援助、ケアーもしています。子どもの安全対策もがんぱっていると生き生きと話してくれたのが印象的でした。

 五色町の人口は1万1500人で高齢化率は28%。ここに町直営の診療所3ヵ所、医者は4人のスタッフ、入院19床、特別養護老人ホーム70床、健康道場もあり、福祉制度が進んでいました。

 和泉市の地域福祉計画は、2年間かけて作り、中学校区単位に拠点施設を整備していました。
住民が決めるまちづくりのルール
金沢市「まちづくり条例」など 建設常任委員会の視察報告
 建設常任委員会は5月10、11、12日と金沢、福井、鯖江市の行政視察を行いました。

 金沢市は戦災を免れ四百年の歴史遺産が残る県都です。

 市はこれまでも「景観条例」や「こまちなみ保存条例」など地域にそぐわない開発行為を規制する条例を多種つくってきましたが、「住民自らがまちづくりのルールを作る」仕組みを作るため、「市民主体のまちづくり条例」を策定し2000年7月から施行しています。

 地域の住民の皆さんが自分たちの住む地域の将来像を描き、まちづくりの方向やルールを考え「まちづくり計画」を作ります。そしてこの計画を実現するために市長と「まちづくり協定」を結びます。大規模開発などがあった場合、30日間事前周知を図ることで紛争をあらかじめ予防する効果もあるそうです。

 「まちづくり計画」とは、その地区の環境を維持できるよう、建物の高さや用途の制限、外壁や屋根のデザインや材質の制限、景観にふさわしい色彩や看板、緑化の義務付けなどを地域独自に定めることができるものです。現在19地区が町内会位の単位で「まちづくり計画」を策定していました。策定には関係住民の80%以上の同意が必要です。

 住民が我がまちに誇りを持ち、歴史や伝統ある街並みを守っていこうとする気運があることが素晴らしいと思いました。予算的には、「まちづくりアドバイザー」を派遣するための30万円です。

 市の担当者は「計画はあくまで住民の自主性を重んじている。行政はまちの隅々まで知らない。住民がいいところ、悪いところを知っているのでその能力を引き出すという発想に基づいて条例が作られた」と説明。本当の市民参画の意味を考えさせられました。

 福井市では「中心市街地活性化基本計画」に基づく「にぎわいのある道づくり事業」を視察。郊外の大型店舗進出や公共施設の移転などで中心市街地の人口が減ったため、福井駅を中心に商店街に人を呼ぴ戻す様々な取り組みを行っていました。

 「にぎわいのある道づくり」は電線地中化、自然石やカラー舗装、歩道のバリアフリー化などの事業(約28億円)で、歩道広場を利用したイベントの開催や店舗の改築が進んでいました。市民、商業者、行政が一体となって「プラス一時間楽しむまちづくり」が目標だそうですが、県都のため県の大型事業が複層して行われていました。

 鯖江市は公園里親制度などを視察。これは町内会などに公園の里親になってもらい、空き缶・ゴミの回収、除草・剪定、水やり、遊具の破損の連絡などを依頼するもの。現在51団体がボランティアで活動しているとのことでした。
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