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『歴史教科書の採択めぐる陳情』が
文教経済委員会で「不採択」最終決着は17日に |
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文教経済常任委員会で「教科書採択をめぐる陳情」の審議が6月7日おこなわれ、採決の結果3対3の可否同数・委員長決裁の緒果、「不採択」となりました。
陳情は「中学校歴史教科書の採択にあたっては、学習指導要領の目標を重視し」「歴史上の人物と文化遺産を尊重する態度を育てる」教科書を選定し、「近隣諸国の働きかけや干渉に影響されることなく・・公正に」などの内容です。
一見何の問題もないようですがよく読めばこの陳情は、アジア太平洋戦争を「大東亜戦争」といってアジア解放のための戦争と偽っている。「南京大虐殺」「従軍慰安婦」などを否定し日本の加害の事実を否定し、中国や韓国、東南アジア諸国から厳しく批判されている扶桑社の歴史教科書を採択させる狙いをもっていることが分かります。
陳情提出者の「教育を考える父母の会・茂木美佐夫氏」は議会には現れませんでした。
教育委員会へ圧力かける陳情は不採択を(笠原・共産)
笠原委員は、「学習指導要領の目標(歴史分野)は4つあるのに、陳情者はなぜ一つだけを取り出しそれを基準に教科書を選べといっているのか。神武天皇など「歴史上の人物」を一番多く取り上げているのが扶桑社の教科書だから都合のよい部分だけをひっぱり出してきている。目標の中には、我が国の歴史を世界の歴史を背景に理解させ・・とか、他民族の文化、生活に関心を持たせ、国際協調の精神を養うなどの目標もある。学習指導要領の目標に沿った教科書をというのならまだ理解できるが、この陳情は教科書採択時に教育委員会に扶桑社を採択させ、プレッシャーを与えようとするものだ。このような陳情は議会は議決しないほうがよい」と不採択を主張しました。
高邑委員(刷新の会)は「日本が外国で何をやってきたのかを知らない子どもたちは国際社会の中で恥ずかしい思いをする。日本人として誇りを持つことができない。扶桑社の教科書は南京虐殺、三光作戦も書かれていない。神話が8ぺージもある。教育勅語が復活している。陳情は文面を見て分からないように書かれているが扶桑社の教科書を念頭においており不採択」と述べました。
保守系の3人の委員は「文章が理解できなかったが採択」(並木平八委員、小池委員)。「どの教科書とか陳情は言っていない。教科書はすべて検定を合格している。日本人に生まれてよかったと思えるものに」(森田委員)などと述べ採択を主張。北村委員(公明)は「不採択」としたので可否同数となり、亀田委員長(公明)で「不採択」となりました。
17日の議会最終日に決着!本会議傍聴を
日本の侵略戦争を賛美する扶桑社の歴史教科書を採択させるため、右派勢力や一部の自民党幹部と結びついた「新しい歴史教科書をつくる会」は各地で議会への圧力を強めています。17日の議会最終日の採決に多くの皆さんの傍聴をお願いします。 |
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