日本共産党新座市議会議員団
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にいざ民報

2006.7.23  No.1173
日本共産党新座市委員会
「年金暮らしの人からどれだけ搾り取るのか」
住民税と連動し介護保険料が「大幅値上げ」
 6月に届いた市県民税の通知を見て、「なぜこんなに高いのか」と問合せが全国で役所に殺到しました。新座市でも多い日は300通を越え、市民税課の電話はかかりっぱなしでした。

 この増税は小泉内閣と自民公明の「改革」で、65歳以上の「老年者控除の廃止」「公的年金控除の縮小」や「定率減税の廃止」によるものです。

 昨年まで控除のおかげで非課税だった高齢者が今年は控除が廃止されたため課税世帯になったのです。

 これに追い討ちをかけたのが先日通知が来た新座市国民健康保険税と介護保険料です。

住民税に追い討ち 介護保険料通知にビックリ

 馬場に住むAさんは、住民税が4万2500円から9万円に倍額した上に、国民健康保険税は2万8000円上がり、介護保険料は第五段階から第六段階に上がって約一万円の負担増になります。

 Aさんは「年金で暮らしている人からどれだけ搾り取るつもりなのか。来年の参議院選挙で自民公明に思い知らせてやらねば」と怒りをぶちまけていました。

 また、Bさんは介護保険料が自分は非課税だが配偶者が課税(控除が無くなった関係)になったため保険料が2段階から4段階に上がり「まったくひどい」と怒っていました。

年金天引きの介護保険料大幅値上げやめよ・・共産党3月議会で主張

 介護保険料は06年度から大幅に引きあがっています。日本共産党は3月議会で「一般会計から財源を繰り入れて値上げすべきでない」と主張しましたが、自民、公明、民主の各議員の賛成で平均34%の値上げが強行されました。

 市の大幅値上げと国の増税のために保険料段階が2段階もあがるなどダブルパンチです。

 国はさすがに急激な負担増になるのを避けるため3年間でなだらかに上げる「激変緩和」を講じましたが、その軽減措置を受けた人は2501人だけ。所得が125万円(年金月額20万円)を越える人は受けられず介護保険料が2倍になった人もいます。

高齢者への増税中止を

 高齢者の負担増はこれに留まらず、定率減税の全廃、医療費の倍加、高齢者医療保険の保険料などこれからもすさまじい増税が待ち受けています。「自民、公明の政治を変えるしかない」のが実感です。
34%も上がった介護保険料
人間らしく暮らせるまともな政治を
7.11 日本共産党演説会に3200人
7.11日本共産党演説会に3200人
 7月11日、大宮ソニックで党創立84周年記念演説会が開かれ、会場は3000人を超す参加者がロビーにまであふれました。

 市田書記局長は「小泉政治で日本の暮らしと外交は深刻にゆきづまっている。日本共産党は18名の国会議員でもサラ金の高金利撤廃、中古家電の使用継続、愛国心評価の全国的な見直し、ただ働き是正など画期的な成果を上げている。人間らしく働き、安心して暮らせるまともな政治に流れを変えよう」とユーモアを交えて講演。会場はしばし爆笑と熱い拍手に包まれました。

 紙智子参議院議員、あやべ澄子県福祉暮らし責任者も挨拶しました。
原爆写真展 今年も市役所ロビーで開催
 核兵器の独占保有、使用、開発を許さず「核兵器のすみやかな廃止」が人類の願いです。この国際社会の願いのイニシアティブを被爆国日本がとることが求められています。

 昨今の北朝鮮の動きに「感謝」し、ミサイル発射元を叩くなど自民党の感情的な先制攻撃論は、紛争の平和的解決の努力に反するものです。

 新座市原水爆禁止協議会は今年も「ヒロシマ・ナガサキの原爆パネル展」を市役所一階ロビーで8月14日から23日まで開催します。お子さん、お孫さんとぜひ見に来てください。
市も「新座市平和展」各公民館などで

テーマ「戦中・戦後の人々の生活」

7/29(土)〜8/3(木)栗原公民館

8/ 5(土)〜10(木) 西堀・新堀コミセン

8/12(土)〜17(木) 東北コミセン

8/19(土)〜24(木) 栄公民館

8/28(月)〜9/1(金)市役所ロビー
「だれにとってもいいことはない」
「新介護保険」について特用老人ホームなどと懇談
 7月13日、市議団は特養老人ホーム「みかんの里」と老人保健施設「四季の里」を訪問して新介護保険等についてご意見を伺いました。

 みかんの里は、特養80床(内個室30床)、ショートステイ20床、デイサービス60名の施設で入所者の平均介護度は4・4と年々寝たきりに近い重度の方が多くなるとの事。職員80人でより高い介護の質を目指しておられます。

年間1000万円の赤字に・・みかんの里

 昨年10月から始まったホテルコスト(居住費、食費の徴収)の影響については、「個室に入っていた人は6万プラス3万5千円位になった。補足給付(低所得者対策)を受けられない人は大変。施設側は介護報酬を減らされ、年間約1000万円の赤字になる。デイサービスは400円から650円にしたが回数を減らす方はいなかった。」との事。

 また、来年4月から介護ケアプラン作成や介護相談等の中心となる「地域包括支援センター」を引き受けるが、「施設とは別個に保健師やケアマネージャーを専任で確保するのが大変。現在ケアマネは3人で140件のケアプランを持っているが、今回国が一人40件以上は減額の方針を出した事でそこでも月百万円の減収になる」と語られました。

役人は現場を見てもらいたい 四季の里

 四季の里は入所100床の老人保健施設。デイサービスに楽しそうな歓声が上がっていました。ここも事情は同様でした。

 「居住費の徴収が始まり利用者の負担が増え、洗濯物を持ち帰る等の対策をとる方もいるが、行く所がなくあきらめの境地で負担をしておられるようだ。1人か2人は退所された方がいた。補足給付は半分くらいが受けており、施設は4月からの介護報酬の引下げで月100万から120万、年間で1200万円の減収になりそうだ。」との事。「療養型ベットを減らし老健施設に転換をと国は簡単に言うがその費用はでない。役人は現場を見てもらいたい。」「だれにとっても良いことはない」という言葉が印象に残りました。

 新介護保険は「介護給付の増大をどう抑えるか」という財政の論理から始まっています。利用者はサービスが抑制され、施設事業者は減収から経営に苦しむ「改悪」であることがお話からも伺えました。

(記・工藤市議)
「狭い市道の拡幅を」市長に要望 片山三丁目
 日本共産党市議団は14日、「市道65・13号線の拡幅整備」を市長に要望しました。

 現地は片山三丁目「夢庵片山店」先の狭い市道で、車輌がすれ違うのもやっとの現状です。接続する市道が廃道になったため、廃道部分を付け替えて道路を広くするよう提案しました。
同じレベルの教育を無料で
「競争しないで学力世界一」・・フィンランドの教育とは
 フィンランドの教育が国際学力調査(PISA)で総合世界一となり注目を集めています。15日、多摩自治体問題研究所の公開講座「フィンランドの教育に学ぷ」に参加しました。講師は2人の子どもを育てながら、日本語講師や日フィン辞書プロジェクト等の研究者として活躍する藤井さん、ペトリさん夫妻で、ご自身の体験もふまえた楽しいお話でした。

 今回の国際学力調査では生徒間・学校間・親の経済力の違いなどによる学力の格差が極めて小さいことも注目されています。

 まず「国の財産である子どもに落ちこぽれをつくることは国の損失」という考え方が根本にあり、福祉の理念による公平、平等の原則として全国どこでも同じレペルの教育を無料で受けられる学校制度になっています。私立学校は高校でも7%位ですが、国の援助で学費は無料、入学試験もなく、大学生は返済なしの奨学金をもらっており、日本とのあまりの違いに驚きました。

 目を見張るのは「教育支援システム」です。子どもたち一人ひとりが大きな段差がなく、学習活動がスムーズに移行できるよう、それぞれの機関が連携して子どもの情報を伝えるシステムです。

 誕生から就学前まで、保育施設、医療機関と連携した「ネオボラ」という子どもの心と体の健康に関わる相談所が、子ども一人ひとりの情報をコンピューター管理し、入学後は学校内の保健センターに情報が移されます。担任は半年前に決まり、入学前からどういうサポートが必要かを伝え合っているので親は安心しているそうです。

 日本と同じ小中学校9年間がひとくくりですが、他人との競争や高校に入るための試験はなく、平均点があれば進学でき、成績を上げたければもう一年やり直しもできます。その他にも親手当、児童手当の充実、世界一の読書率、メディアの影響を考えビデオやゲーム、映画などに幼児期から年齢制限があるなど、日本とは子どもの育つ文化環境がずいぶん違うことがわかりました。

 フィンランドでも色々な社会問題を抱えていますが、親がトラプルを抱えていても社会が救いだし手助けする条件が揃っているとのことでした。子どもを育てやすい環境は、子どもが育ちやすい環境であり、そうしたことがPISAの成績に関係しているのでは・・という話が印象に残りました。

(記・石島市議)
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