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なつかしさが込み上げる学校を |
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6月21日、新座市民会館で「守ろう生かそう教育基本法!新座市民の集い」(憲法・教育基本法改悪に反対する新座市共同センター等主催)が開かれ、金八先生のモデルとなった三上満さんの記念講演は約百名の教職員、市民に深い感動を与えました。 |
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最大の美徳は「天皇のために死ぬこと」
(教育勅語)の反省から
「昭和20年、終戦間近な時に満州大連市の中学生たちがソ連との国境地帯に列車で送り込まれました。日本の満州軍が態勢立て直しの時間を稼ぐ間、中学生たちが兵隊の服を着せられ『かかし作戦』をしたのです。戦前の教育は、天皇のために死ぬことが最大の美徳と教育勅語で徹底して教えられました。その反省から今の教育基本法が作られているのです。国家のための教育ではなく『教育は人格の完成をめざし』ている(第一条)のです。その改悪は許せません」 |
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穏やかだが厳しい三上満氏の声が響き会場いっぱいの約百人の参加者は頷いたりノートをとりながら熱心に聞き入りました。
教師から《ゆとりと自由》を奪っては、良い教育はできない
三上氏は「教育基本法は教育勅語に代わる教育宣言であり実践指針である。」と解明。「戦後間もない頃の文部省は『学校長は専制的な経営者ではだめ、何でも自分一人で決めてはいけない』など素晴らしいことを言っている。現在の文科省とは180度違っていた。文科省は教師からゆとりと自由を奪っているがそれでは良い教育はできない。どんなに学校が荒れていても『学校に来るな』とは言わなかった。『学校に来いよ』と言い続けてきた。学校へなつかしさがこみ上げてこないような学校はダメだ」と語りました。
秋の臨時国会で必ず廃案に
●講演に先立つ第一部では、主催者団体から運動の報告や決意表明がありました。
●新婦人は4名で紙芝居での訴え。教職員組合は「学校現場がテスト、テストで追われ、教育が数宇を追いかける仕事に変わってきている」と告発。年金者組合の斎藤さんは「戦前の教育がどんなに個人を犠牲にし国家のための教育だったか」を語りました。(下記参照)
●母親連絡会の竹森さんは「社会教育は憲法、教育基本法に基づいて行われ公民館は無料だったが、新座市は財政難を理由に有料化した」と批判。共産党の笠原市議は「教育基本法改悪は『海外で戦争する国づくり』と国策に従う人間づくりが狙いだが、自衛隊の海外での戦闘にむけた訓練がすでに朝霞基地で行われている」と告発。
●谷森さんは「東京都七生養護学校での性教育への無法な攻撃は、教師の自主的な教育実践への弾圧でこのような権力による教育への介入が教育基本法改悪の狙いの一つ」と発言しました。
●センターからは「毎週水曜日に志木駅、ひぱりケ丘駅、新座駅で6回の宣伝活動を行い、署名300筆、約2300枚のビラを配布してきたが、秋の臨時国会に向け全戸配布ビラも予定して運動を強化しよう」と訴えがありました。 |
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ひたすら「神風」を信じて ー斉藤セツ・東3
私は1929年に生まれ35年に小学校に入学。国語教科書は「ススメ、ススメ、兵隊ススメ」で始まり、私は全校朗読会で「木口小平は死んでもラッパを離しませんでした」と読み上げたのは忘れられません。
毎朝国旗掲揚、皇居を拝み毎日「青空高く日の丸揚げてああ美しい日本の旗は」と謳いました。
戦争が熾烈を極める中、小学生は防空演習、食糧補強のためのイナゴ取り、出征兵士があれば日の丸の小旗をもって「忠勇無双の我が兵は」と声を限りに謳ったものです。高等小学校でも授業は無く作業着に着替えて毎日農作業と勤労奉仕、軍事訓練。その時はしっかり洗脳されていますから不満も疑問も感じない。本土空襲も連日のようにあり、唯ひたすら「神風」が吹くのを待ちました。
「大東亜戦争は日本の自存自衛のため、アジアを欧米から開放であり大東亜共栄圏建設のため一億臣民は頑張る、聖戦だ」と言われたことを信じ天皇のために命を捧げることが至上命令だったのです。
ラジオは大本営発表で「帝国陸海軍は敵機○○機を撃沈せり、わが方の損害軽微なり」といった具合で敗戦の兆しが見えても真実を報道しなかったのです。
こうした体験から言えることは、戦争はある日突然やってくるのではなく、教育、情報操作、様々の規制などの中で準備されていくのだということ、いま教科書で「愛国心」を強要する動きや、体制側に不利と思われる事は報道しないマスコミの報道などが、戦前とダブり慄然とする思いです。二度と再び息子や孫たちを戦争に奪われないよう行動を起こす時ではないでしょうか。 |
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